ぽちぽち軒

コロッケ蕎麦は乗せる派です

2024-06-29

 今日は仕事で子ども食堂関連のイベントに行ってきた。子ども食堂運営者によるトークセッション会場の設営等々。マイクチェックしたり椅子並べたりみたいな仕事。

 トークセッションをほぼ全部聞けたのですが、面白かったです。わたしは子ども食堂が増えるのは素朴によいことだとおもう一方、行政がそれに期待するのはおかしな話だなと感じていたのですが、最初のトークセッションで運営者のひとりから、「子ども食堂はなくなったほうがいいと思ってるんです」という発言が出て、よかった。子ども食堂は貧困や孤食に対するボランタリーな取り組みですが、子ども食堂が必要になっているいまの状況というのは、それだけ育児が困難な家庭や貧困世帯が多いということでもある。だから子ども食堂を運営しながら、一方で子ども食堂がなくなったほうがいいと思う、と言ったのその人の話は、たぶん到達不可能なのだけど、いや、そうだよな、と思ったのでした。

 そんななか、電車のなかで上間陽子さんの『海をあげる』(筑摩書房、2020年)を読んでいたら、ぼろぼろ泣いてしまった。なにかを書くということは、すごく個人的な行為であるのに、その宛先はどこかのだれかに——ときには自分自身に——向けられている。だから、書くことはすなわち祈ることでもある。そんなことは、上間さんの本には書かれていないのだけど、そう思えてならない、そういうことが書かれているように思いました。夕日が眩しい。駅から家に帰る道。