書店の棚の前に立つ。どこに行っても回る場所は大体同じ。文庫、新書、音楽・映画、社会(学)、哲学、たまに雑誌。いろいろと開いてはすぐ棚に戻す。どれもなかなか買うまでに至らない。自宅の本棚の空きスペースと銀行口座に入っている蓄えばかりを考えてしまう。
だれかと本屋に行くと、その人が1冊の本を10分以上しっかり読んでいたりして驚く。わたしは背表紙の題や著者名の文字を眺めてばかりで、たまに少し開いてはすぐに戻すの繰り返し。しっかり読んでいるのを羨ましいなと思う。眺めるばかりでほとんど読まない。結局、いつも似通った著者の本にしか目がいかないわけだから、しっかり読むほうが時間の使い方として有意義な気がする。
と、そのように思うのは、とにかく時間がない、時間を無駄にしたくない、無駄にしないほうがいいことだ、と思っているからなのだと気づく。ノイズや過剰なものや無意味なことが面白いんだとか言っておいて、結局は「スキマ時間を有効活用!」「究極の時短テクニック!」というタイパ志向を捨てきれない。むしろ、倍速視聴もぜんぜんありじゃ〜ん? と思っている。「新海嘘監督作品 君の名前はなんだろな feat. 青山テルマエロマエ 27倍速」(cf. 真空ジェシカ、このネタ大好き)。矛盾している。
さて、最近はよくコンビニでからしマヨ入りのカニカマを買って食べている。めんたいマヨ入りにするときもある。わたしはカニよりカニカマが好きだと思う。積極的にカニカマが好き。カニカマを愛している。カニカマ♡。この話とさっきの矛盾はつながっている。要は、カニカマを肯定したいという話。もっともっと軽くありたい、軽薄に書きたいと思っているんだけど、なかなかそうなれない。「真面目3号」というあだ名を兄に付けられたことがある。真面目なのだと思う。カニは真面目だけどカニカマは不真面目。真面目なので不真面目に憧れがある。「隣の芝は青い」とはよく言ったもので……と書こうとしたら「隣の鯖は青い」と変換されそうになった。気に入ったので書き残しておく。鯖も好き(最近気づいた)。鯖がうまい店、教えてください。